〜今、ここから、チョット前へ〜
普段わたしたちは、「ピアノを弾いてみよう!」とか、
「ピアノを弾きたい!」と言いますよね。
日本語としては普通の表現なので疑いも持ちませんが、よく考えて
みると、「弾く」ってどうすることでしょうか?
この「弾く」を英語で表すと、「play」。
「play」もたくさんの意味がありますよね。
遊ぶ、戯れる、競技する、演じる、などなど。
日本語の「弾く」も英語の「play」も、もちろん他の言語も、それぞれ単語の語源を探ってみると、とても興味深いものがあります。
まず、「ピアノを弾こう!」と言っていたのを、
「ピアノと遊ぼう!」と言ってみてください♪
たちまち、ふわっと気楽になりませんか?
次は、もっと具体的に、
「弾く」という単語をまったく別の単語に変えます!
どんな単語が浮かんできますか?
普段わたしたちは、実際、どのようにしてピアノの音を出していますか?
そう、「指で鍵盤を◯◯している」と言えますよね。
この、◯◯のところに、色々な単語をはめてみてください!
よ〜く、よ〜く、自分の指と鍵盤を観察してみましょう!
すると、指は鍵盤をどのように動かしていますか?
ほら!
たくさんの単語が登場してきましたね!
「なでる」→優しい音、柔らかい音を出したいとき。
「打つ」→アクセントなど、音に重みや強調がほしいとき。
「ひっかく」→軽いけれど、鋭さがほしいとき。
「すべらす」→細かい音符がいっぱいで、弱音かつ速く指を動かさなければならないとき。
などなど、挙げると切りがありませんので、今回はここまでにしますが(笑)
きっと、まだまだもっとたくさんの単語がひらめかれたことと思います♪
またぜひ、こんな単語もあるよ!と教えてくださいね☆
そして、何より、大切なことは、
こうして “ 単語を置き換えるだけ ” で、そのまま “ 表現力の豊かさに繋がる ” ということです。
たとえば、
「なでる」と聞いて、「ガッと力を入れる」イメージを思い浮かべますか?
答えは、ノーですよね。
イメージするとしたら、赤ちゃんに触れるときや、ふわふわのタオルを触るときなどではないでしょうか?
そのとき、指や手は、もっと言うと、腕などは、どのようになっているでしょうか?
どんな動作になっているでしょうか?
優しい音、柔らかい音、磨りガラスのような、艶消しのマットな感じ、などのような音を出したいとき、「なでる」をやってみましょう。
そう、「鍵盤をなでます」。
これでたちまち、思い描いた音になることでしょう。
奏法やら何やら難しいことを研究したり工夫することはもちろん大事で素敵なことですが、
あれこれ考えて上手くいかないときは、いつでもシンプルに戻ります(笑)
上記のプロセスを辿ってみてください。
今までの悩みがウソのように、コロっと簡単にできるようになりますよ!
このように、日常生活でおこなっている動きを取り入れると、何も難しくなく、自然と、
無駄のない美しい演奏をすることができるようになります。
もちろん、一つの動作の中に、これまた無数のバリエーションが存在しますので、
この続きは、またレッスンでくわしくお伝えしますね♪
(たとえば、「ひっかく」と一言で言っても、「ゴリゴリガリガリひっかく」のと、
「シャッシャッとソフトにひっかく」のとでは、まったく別物になりまよね。
これだけとっても、音は、みちがえるように変わります。)
要は、「弾くという言葉」を「普段何気なくやっている動作に置き換えてみる」。
これはもう、まちがいなく必ず、上達する近道になります。
しかも、ボキャブラリーも増え、イメージ力も増え、なにしろ、普段自分がしている動きだから、とっても簡単!
難しいことは何一つありません(笑)。
これで、日常生活とピアノをより結び付けて、ますます楽しく快適に、
「音を紡いでいきましょう」ね☆
最後に、おまけです。
ピアノをもっと深遠なるものとして捉えたいときは、
「演奏する」「奏でる」「奏する」「鳴らす」「歌う」などの表現を 使ってみてください。
なんかいつも、指ばっかり動かしているなぁと思っていたら、
ぜひ、「ピアノを歌わせる」「ピアノで歌う」と表現してみてください。
なんかいつも、こぢんまりとしていて、ふくよかさがないなぁと思っていたら、
ぜひ、「ピアノを鳴らす」と表現してみてください。
「ピアノという楽器全体を鳴らしてみよう。」とイメージしてみてください。
そして。
「弾く」と「演奏する」は違うのですよね。
これについては、奥深いエピソードがあるのですが、これはまたいつか・・・ということにして、ん〜、何が違うと思いますか??☆